三匹の猛毒犬

三匹の猛毒犬
作品名 ディアルミドとグラーネの追跡
分類 存在
使用者 黒足デュコス白足フィンコス強足トレンコス
作中体系 魔法の猟犬
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存在について

アイルランド・ケルト神話群フェニアンサイクルに登場する使い魔。
焼死、溺死、武器による殺害が出来ない三匹の猛犬
猛毒犬と呼ばれるが、作中で毒を使う場面はない。


猛毒犬

  • 焼死、溺死、武器による殺害が出来ない
火の中水の中だろうと主の敵の居場所を嗅ぎ出す犬。
「われわれの名前は、黒足、白足、強足だ。クーアルの息子フィンの頼みでここに来た。
(中略)さらに、聞いた
ところでは、このダーマットなる者は勇敢で危険
だというので、ここに連れて来た三匹の
猛犬を放って彼の跡を追わせ、隠れ家を嗅
ぎ出させるつもりだ。この三匹は火にも燃えない、水でもおぼれない、武器にも傷
つかない(以下略)」

[1]


殺害方法

  • 作中では以下の手段で殺害している

+ 動物による殺害

  • 雇った傭兵モダンの飼い犬による殺害
一撃で心臓を抉り出し殺害した。ちなみに殺した方は子犬である
    緑のマントの戦士は彼らを見ると、三匹の犬のうちの一匹を放った。グラーニア
はそのしわがれた吠え声が谷間に聞こえた時、ひどく怯えた。しかしモダンは、自
分がこの犬の始末をするから、怖がることはないと言った。後ろをむき、飾り帯の
中から小さい子犬を取り出し手のひらにのせた。怒り狂った大きな猟犬が口を大き
く開けて来るまで子犬はじっとしていた。子犬はモダンの手から跳び降りると、猛
犬の喉からおりて心臓を引き裂いた。犬は倒れて死んだ。

[2]

+ 魔法を無効化する槍

猛毒犬にかけられた魔法(かどうかは不明だが)の加護を無効化する槍による殺害
 そのあと三人は、モダンがグラーニアを抱いて、さらに一マイル上流にむかって
山の中を歩いた。しかし二匹めの犬が放たれ、まもなく追いついた。それでダーマ
ットが言った—— 「この犬にはガ-ジャルグを使ってみよう。ブラフのアンガスから
もらったこの槍にはどんな魔法もきかない。それに、聞くところによると、どんな
魔法を使っても動物の喉
だけは無傷というわけにはいかないそうだ」
 モダンとグラーニアが立って見ている間に、ダーマットが槍の絹の紐に指を入れ
て投げると、槍先が犬の喉に落ちて、犬の内臓があたりに散らばった。

[3]

+ 撲殺

  • 岩に頭部を叩きつけての殺害
ディアルムドの膂力に任せた叩きつけで犬の頭部を破壊した。
(前略)しかしダーマットは超えていこうとする犬の後足をつかんで振り回し身体を岩に打ちつけ
て脳味噌をたたき潰した。

[4]


その他

関連項目

猛毒犬のうち一匹を殺害した槍。
あらゆる魔法を打ち消す魔槍。


引用元

  1. 小辻 梅子 訳編.ケルト幻想民話集.社会思想社,1993 P173
  2. 小辻 梅子 訳編.ケルト幻想民話集.社会思想社,1993 P184
  3. 小辻 梅子 訳編.ケルト幻想民話集.社会思想社,1993 P185
  4. 小辻 梅子 訳編.ケルト幻想民話集.社会思想社,1993 P185