聖歌聖典
聖歌聖典 | |
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読み | アフナ・ワルヤ |
作品名 | 黒白のアヴェスター |
分類 | 能力 |
使用者 | ナーキッド |
作中体系 | 戒律 |
能力について
概要
誓約
- 主役として脚本通りに従う
- 物語の奴隷として生きるという誓い。
かつてナーキッドは勇者の資格を奪われたが、同時に得たものもあった。真正の勇者な ら当たり前すぎて意識しない類の思考、自分の在り方に対する拘りである。 立場を失くしたことで、逆に己の性質を強く見つめるようになったのだ。個人的な望み を持たず、奉仕するだけの身であらねばならぬという戒めが、唯一彼女の自我となり機能 している。
世界の首席
- 星霊がその支配下の生命を自由にできるように使用者は宇宙の下にある全てを自由にできる。
- 星霊に自壊するほどの全力を行使させそれを掛け合わせるといった理不尽な命令を下せる。
- 義者でありながら星霊を融合させて魔王を作る真似も可能。
星霊への支配力はその見返りであった。勇者でなくなった者が勇者らしく在ろうとする 滑稽さに、真我が応えた結果だろう。ナーキッドが演者のスタイルを貫く限り、世界の首 席として最強種の上に君臨できる。
禁令を科す
- 拘束、封印、停止、重圧という星霊の権能を用いた拘束術
- 光の縛鎖となって対象を絡み付く。
- 最大で二億倍の威力に達し、まともな存在ならば拘束する以前に超重圧に粉砕される。
庇護対象に貸し与える加護とは違い、一つ一つが星の全霊を振り絞った権能の顕現だ。 人間に喩えるなら負荷を考慮せず引き出した潜在能力の爆発で、それを四重掛けに展開し ている。すり潰される星霊の断末魔と共に光の縛鎖がマグサリオンに絡みつき、さすがの 彼も行動の自由を封じられた。少なくとも、容易く脱せる域の拘束ではない。
巨兵顕正
- 障碍、中庸、虚影を成すの権能で作り上げた巨大肉人形兵
- 義者、不義者関係なく一ヶ所へ瞬間移動させて融合させ一個の巨人に仕立て上げる。
数にして一〇万は下るまい。彼らは例外なく高度な戦闘術を修めた兵であり、転墜の影 響で自傷も厭わぬ狂乱状態に陥っている。 その全員がぐちゃぐちゃに掻き回され融合し、一個の巨人を形成していた。ナーキッド の意のままに暴威を振るう、殺戮人形と言っていい。
穿ち貫る道筋を刺す
- 存在しない隙や弱点を作る技で絶対的な頑強さを持つものにも有効。
すなわち、隙をねじ込む能力だ。有翼種系の星霊が持つ霊視力を掛け合わせて増幅させ、 本来あるはずがない脆い部位を無理矢理顕現させている。これもまたナーキッドが、義弟 を“見続けた”結果の必然だろう。
魔桜繚乱
- ガヨーマルトの疑似再現
- 近い星霊を掛け合わせて疑似再現した。
- 攻撃ではなく“家族会議”のために空中の足場を提供するため。
聖歌と共に薄桃色の風が舞う。たった一片で島ほどもある桜の花弁が数百億枚も顕正し、 空を瞬く間に埋め尽くした。
使用者との関連性
元勇者(ブラコン)
- “みんなの祈り”を受信して望まれた振る舞いをする存在だった
- 勇者でなくなっても勇者であろうという祈りから与えられた力。
- 神未満の全てを支配可能だが兄の命令次第で神ですら不可能な行いを実行できる。
星霊への支配力はその見返りであった。勇者でなくなった者が勇者らしく在ろうとする 滑稽さに、真我が応えた結果だろう。ナーキッドが演者のスタイルを貫く限り、世界の首 席として最強種の上に君臨できる。
その他
元ネタ
元ネタ
- アフナ・ワルヤ呪
- ゾロアスター教における入門式(Navjote)で唱えられる呪文。
yaθā ahū vairyō、 aθā ratuš aṣ̌āt̰cīt̰ hacā、
vaŋhə̄uš dazdā manaŋhō、š́yaoθənanąm aŋhə̄uš mazdāi、
xšaθrəmcā ahurāi ā、yim drigubyō dadat̰ vāstārəm
- アルスナ(Arəθna)
- ゾロアスター教に登場する魔物。名前は「蟻」を意味する。
- ヤシュト五章「アーバーン・ヤシュト」(アルドウィー=スール・ヤシュト)の第21章90節でアナーヒターがマズダーの元へ向かう際に蛇や蜂、サソリと同様に道を
- 欺くものとして呼ばれている。
- ジャウザハル(アラビア語:Jawzahar、al-awzahar)、
- ゴージフル(パフラヴィー語:Gōzihr、gōčihr)
- ゾロアスター教の神話に登場する星、もしくは竜。
- 『イラン版ブンダヒシュン』によると、悪の天体でありドラゴンとされ、宇宙誕生時は双子宮から人馬宮に渡って横たわっていた。
- 月食や日食が悪魔化されたものとされ、他の文献では日食や月食を起こす悪魔とされている。
- 天文学上では黄道の天球と黄道に傾く天球が重なるときの二つの点を指し北側が頭、南側が尾とされる。
- マルコース、マルクース(Malkōs)、マフルクーシャ(Mahrküsha)
- ペルシャ神話における悪魔。冬を引き起こす悪魔。
- ウィデーウダート2章22節においてアフラマズダがジャムシードに警告する「悪しき冬」のこと。
- 救世主フシェーダルの生まれた千年期の終末に現れ、雪と霰によってあらゆる生命を死滅させる冬を三回引き起こす。
- ジャムシェード(イマ)はアフラマズダの警告に従って要塞「ワラ」(実際は洞窟)を作り、人々や家畜、植物の種子を貯めて冬を耐えた。
- ペルシャ神話版ノアの大洪水。
- サルソーグ(Sarsōg)、スリソーグ、ハザヨース
- 中世ペルシアのゾロアスター教における聖なる牛。
- 世界に初めて雨が降った時に生まれた大洋が大地を七洲に分けた。その大陸間を行き来するのに天の雄牛であるサルソーグの背中に乗ったという。
- サルソーグは全ての人間が不死となる復活の日には供物として捧げられるため、信心深い半人半牛のゴーベッド・シャーが見守られている。
- マーザンダル
- 中期ペルシャの悪魔。悪魔・悪霊の中でも黒い巨人を意味する。
- パティシャ(Paitiša)
- ゾロアスター教に登場する悪魔。
- 名前は「妨げ」「対立する」を意味する。
- 「ウィーデーウダート」19章43節ではダエーワの中で最もダエーワ的な魔と呼ばれる悪魔。
- スパズグ(Spazg)
- ペルシアの悪魔。
- 名前は「中傷」を意味する。
- ドゥラオガ(draogō、Draoga)
- ゾロアスター教に登場する悪魔。「虚偽」を意味する。
- 『ウィーデーウ・ダート』19章46節にある「偽りで発せられる嘘」の擬人化。
- 古代ペルシャ語ではドゥラオガ~(draoga-)で「~からの嘘」を意味する。
- アル・ヒマール(Al-himār)
- アラビア語で「ロバ」を意味する。
- アル=ジャーヒズなどのアラビアの学者が一角獣をさして使うことがある言葉。
- もとはアリストテレスが一角獣をインドのロバと記述したことに由来する。
- 転じて彼を引用するときにアル=ヒマール・アル=ヒンディーという語が使われている。
- ガンダルワ(Gaṇdarəβa, Gandarəwa )(ゾロアスター教)
- ゾロアスター教に登場する怪物。
- 神話ではウォルカシャ海に棲み、英雄クルサースパに退治された。
- 名前からみてインドのガンダルヴァと関係が見られるが、芸神群としてのガンダルヴァと海の怪物であるガンダルワが結びつけられない。
- ヤシュトの5章「アーバーン・ヤシュト」38節では枕詞に『黄金の踵の』(yim zairi.pāšnəm)がつく。
- ヤシュトの15章「ラームマン・ヤシュト」の28節ではクルサースパは風神ワユにガンダルワを殺す手段を与えられている。
- ヤシュトの13章「フラワルディーン・ヤシュト」の123節にガンドゥルヴァという名前が登場し、義者パルシンタの父ということになっている。
- カルシプタル(Karšiptar)
- ゾロアスター教における聖なる鳥。天国に住まう鷹とされている。
- 『ウィスプラウド』の一章一節に記された空を飛ぶ動物たちの指導者である。
- 『ウィーデーウ・ダート』の二章ではマズダー崇拝を広めるものとしてザラスシュトラの例えに使われた。
- ガヨーマルト(パフラヴィー語:Gayōmart、Gayūmarṯ, Kayūmarṯ)、
- ガヤ・マルタン(アヴェスター語:gaya marətan)、
- ゾロアスター教の神話に登場する人物。人類の祖。
- 名前は「定命」を意味する。
- 『シャー・ナーメ』では「カユーマルス」と呼ばれる。
- 神話ではアフラ・マズダーが天地創造した際に一緒に創られた生命体とされる。
- 3000年間は霊体として、その後の30年間は若者の姿となって生活していた。
- その後、アンラ・マンユが地上を攻撃した際にその毒によって死んでしまう。
- 最期の刻にガヨーマルトの体から精液が放たれ、スプンタ・アールマティの胎内に入ったことで、
- 更に40年後に人類の祖である男マシュヤグと女マシュヤーナグが生まれたり、
- その死体が7種類の金属になったとされている。
関連項目
- 聖歌聖典の能力分類。
- 聖歌聖典を利用して作った魔剣。
引用元