毒気(煉獄姫)

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毒気(煉獄姫)
作品名 煉獄姫
用語分類 エネルギー分類、道具分類
作中体系 煉獄
別呼称 煉獄の大気、煉獄の毒気、仮想物質
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用語について

煉獄姫に登場する用語。
異世界から流れてくる大気。
外部からの刺激に反応して望んだ仮想物質に変質する性質を持つ。
毒気の名の通り人間はもちろん、黴や虫にも有害。


来歴

  • 作中の二十五年前に発見された異世界の大気
異世界は一つ下の階層の世界で煉獄と呼ばれるようになる。
花の香りがする、人体はおろか虫や黴にも有害な大気以外には何も存在しない世界。
 発祥はそこから更に二年、二十五年前へと遡る。
 とある学者が偶然、この世界のひとつ下の階層に存在する別の世界を発見した。正確に言え
ば、その世界とこの世界を繋ぐ穴、即ち異世界への扉』を開ける方法を見付けだした。
 最初、その世界には何もないように思えた。草木も岩も生物も、天地も。少なくとも目には
見えない。何故なら光すらもなかったからだ。洩れ出てくるのは、ただ花の香りがする奇妙な
大気のみ。しかもその大気は毒性を帯びており長く吸い込めば命に関わる。

[1]

  • 大気に森羅万象を創成する性質が認められる
以降、毒気を利用した創成術『煉術』が編み出され産業革命の基盤となった。
 異界に満ちた大気は、特異な性質を帯びていた。
 即ち、外部刺激と人の意志に干渉して森羅万象に変化する、という。
 草木を望めば草木に、岩を望めば岩に。それどころか金銀を含めたあらゆる鉱物に。更には
光に、火に、風に、水に、ことによると生物にすらにも。

[2]


性質

  • 花の香りがする大気
しかし同じ芳香を持つ花はこの世のどこにも存在しない。
 花の匂いによく似てはいるが、一方でこれと同じ芳香を持つ花は世界のどこを探しても見当
たらない。そのとろけるような甘さは、人にとって死の形をしている。
 即ちこれは、人体にとって有害な、現世とは別の世界の大気の匂いであった。
 この香りのことは一般にこう形容されている。
 曰く、煉獄の毒気、と。

[3]

  • 周りの儀式に反応して創成する
ガスと同じで誰でも利用できてしまう。
即座に反応してしまうため切り札に煉術陣を使うことは少ない。

藤原 祐. 煉獄姫 六幕. アスキー・メディアワークス, 2013, P198 煉獄の毒気は、発生したその場で行われた儀式に対して無差別に反応する。  言ってみれば瓦斯に燐寸の火を近付けるようなものだ。毒気は自分で儀式を選択などしない。 故に先んじて干渉すれば、上書きも可能となる。

  • 仮想物質へ変質する際に匂いがこの世の植物のものに近くなる
これを嗅ぎとれば相手の煉術を事前に察知できる。
ただし難易度は至難の技。
 一般には殆ど知られていないことだが、煉獄の毒気は仮想物質に変質する際、その変質する
対象に合わせて匂いをわずかに変化させる。たとえば植物系であれば睡蓮を熟成させたよう
な馥郁、金属系であれば薔薇を腐らせたような芳醇、現象系であれば秋桜を凝縮させたよう
な香気。それらを嗅ぎ分けることができれば、煉術が起動する直前にどんな術式かをある程度
察知できる――ただし、匂いの判別ができるのはカルブルックを含め匍都に五人といまい。

[4]

  • 空気より僅かに軽い
大量に召喚されたり、地形的な理由がなければ高所へと流れていく。
 部屋はさほど広くない。寝台がふたつと、それから安物の鏡台がひとつ。ただし五階建て
の最上階に位置しており、風通しに優れている。煉獄の毒気は空気よりも僅かに軽いから、(以下略)

[5]

  • その場にある言霊や儀式に反応する
呼び出した人間の所有物ではない。
煉術が発動する前なら割り込む隙が発生する。
 煉獄の毒気は、発生したその場で行われた儀式に対して無差別に反応する。
 言ってみれば瓦斯に燐寸の火を近付けるようなものだ。毒気は自分で儀式を選択などしない。
故に先んじて干渉すれば、上書きも可能となる。

[6]


毒性

  • 臓器を蝕んで寿命を縮める毒性を有する
個人ごとに抵抗力があり、高ければ毒気を扱う煉術師や煉術の研究者の道が開ける。
逆に低いと高濃度の毒気を吸っただけで即死する。
抵抗力は先天的な才能で訓練で伸ばすことはできない。
抵抗力が高い者は百人に一人、二人程度とされている。[7]
 煉獄の大気はすべての生物に対して毒性を持つ。だが、その毒気への耐性には個人差があっ
た。ちょっとばかり濃いものをひと吸いしただけで気分を悪くする者もいれば、イパーシのよ
うに三年間工場勤めをしてまったく平気な者もいる。無論、イパーシが最高峰などではない。
それ以上に耐性の高い者も、特に煉術師の世界にはごろごろしていた。耐性の高さは訓練でど
うにかなるものではなく、生まれついての才能と言っていい。

[8]


物質化と還元

  • 創成したものは時間経過で毒気へと戻る
煉術で作ったものを食べた場合、体内で毒気に戻る。
このため身体に直接働きかける治癒や強化の煉術は積極的に使用されない。
 煉獄の毒気は吸い込んだだけで生命を削る。その毒気で創成した硝子杯や葡萄酒もまた同様
だった。それは硝子杯の形をしていて硝子杯ではなく、葡萄酒の貌をしていて葡萄酒ではない
のだ。一時的にその様相を保ってはいるが、時を置けば再び毒気へと、それも尋常ではない高
濃度のものへと還元される――仮に葡萄酒を口にすれば、喉の奥、胃腑の中で。

[9]


その他

元ネタ

  • ロンドンスモッグ
イギリスのロンドンで1952年に発生した史上最悪規模の大気汚染による公害事件。
視界不良と疫病を引き起こし、重い病だと気管支炎、気管支肺炎、心臓病などが引き起こされ、12000人が死亡した。
原因はディーゼル車や暖房器具から発生した亜硫酸ガスとされ。大気中に濃縮されて強酸性の高濃度硫酸の霧を生成したとされる。
後の公害運動や環境運動に大きな影響を与えた。


関連項目

毒気を利用して万物を創造する術技体系。


煉獄の扉を開いて毒気をこの世へ呼び出す装置。


引用元

  1. ↑ 藤原 祐. 煉獄姫. アスキー・メディアワークス, 2010, 314. P28
  2. ↑ 藤原 祐. 煉獄姫. アスキー・メディアワークス, 2010, 314. P29
  3. ↑ 藤原 祐. 煉獄姫. アスキー・メディアワークス, 2010, 314.P14
  4. ↑ 藤原 祐. 煉獄姫 二幕. アスキー・メディアワークス, 2011, P222-223
  5. ↑ 藤原 祐. 煉獄姫. アスキー・メディアワークス, 2010, 314. P167
  6. ↑ 藤原 祐. 煉獄姫 六幕. アスキー・メディアワークス, 2013, P198
  7. ↑ 藤原 祐. 煉獄姫. アスキー・メディアワークス, 2010, 314.P28
  8. ↑ 藤原 祐. 煉獄姫. アスキー・メディアワークス, 2010, 314. P30
  9. ↑ 藤原 祐. 煉獄姫. アスキー・メディアワークス, 2010, 314. P17-18