魔術(緑陽のクエスタ・リリカ)

魔術(緑陽のクエスタ・リリカ)
作品名 緑陽のクエスタ・リリカ
用語分類 術技分類
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用語について

概要

緑陽のクエスタ・リリカに登場する用語。
周囲のマナに干渉して現象を引き起こす術式


マナによる現象操作

  • 魔術式によってマナに干渉し望んだ現象を引き起こす術技
構築式は青白い煌めきの複雑な魔術文字で描かれる。[1]
 魔術の行使とは、有り体に言ってしまえば、人間の願望を世界という万能の計算尺に伝
えて、叶えさせるということだった。
 この世の大気に満ちている万能素には、人間の願望をかたちに変える力がある。しかし、
ただ言葉で願うだけでは、実現には遠く至らない。それ故に、神々の言葉とされる魔術言
語で構成された複雑な魔術式が必要となる。数十冊の書物分に等しい魔術式は発動体に封
じられており、それが魔術の行使を手助けするのだ。

[2]


構築式について

  • 虚空に描く魔術のプログラム
マナを使いながら字単位で想像し続けて描く必要がある。
文字が途切れると不発になるので筆記体と思われる。
 魔術の発動体たる簡易杖を掲げて、ジゼル・アンダーブルックリンは魔術の構成を展開
していた。虚空に描き出した構築式が周囲のマナを手繰り寄せ、変容していくのを感じる。
魔術師でない人間にわかりやすく説明するならば、文字を空間に思い描いていくという作
業に似ているだろう。魔術を発動させるための、魔術文字で構成された複雑で膨大な式を、
目の前の空間に綴っていくのだ。文字が途切れてしまわないよう一字一句正確に想像をか
たちにしていく作業というのは、莫大な集中力を必要とする。たいていの場合は、文字を
綴るにつれ、最初の方から文字が消えてしまう。想像を維持できずに、空間に固定するこ
とができなくなってしまうのだ。それができなければ、魔術を展開し発動することなど叶
わない。

(中略)

僅か
な力加減で、構築式は歪に変化してしまう。周囲からかき集めるマナの量が多すぎても
少なすぎても、魔術は簡単に歪んで、暴走したり不発に終わったりする。大気に漂うマナ
も、場所によって濃度が違ってくる。それを見極めて適切な量を扱うのが魔術師として問
われる技術の一つなのだった。

[3]


発動体について

  • 膨大な魔術式を組み込んだもの
魔術式を可能な限り短くするために短い単語で長文を呼び出す。
プログラミングで言うところのライブラリだろうか?
(前略)その煩雑さをある程度補うのが、発動体に組み込まれた魔術式だ。予め綴られた
長文を、短い言葉で呼び出すことのできる仕組みと考えれば良い。

[4]

  • 発動体は千差万別
一般的に杖が使われるが、物体は自由。
指輪は組み込める式が少ない。
 猿貌の指先に煌めく、紅い指輪。それが、恐らく魔術の発動体である。
 杖の発動体に比べて、指輪状の発動体は組み込める式が圧倒的に少ないと聞く。しか
し、こちら側からすれば、叩き落として無力化する術は使えない。

[5]


魔術戦について

  • 魔術師であればマナの変容を感知できる
術者本人ではなく魔術具に封じられた魔術を用いている場合も、効果を発動する瞬間に感知する。[6]
 ならば、魔術師なのか――。しかし、魔術の構成が展開される気配は微塵もない。相手
が魔術師であれば、なにを仕掛けてこようとも、そのマナの揺らぎや構築式を、魔術師であるジゼルは知覚できるのだから。
(それなら混沌魔術の類……。精霊術か?)

[7]


魔術の種類

論理魔術

  • 体系化された魔術
発動体に膨大な魔術式を仕込むことで煩雑な呪文や環境パラメーターの調整を一気に短縮できる。
 かつて魔術の行使には、膨大な呪文を暗記しなくてはならず、複雑な身振り手振りの動
作を必要としていた。星の動きや大気のマナの量を読んで、それに応じた魔術式を一から
構築する必要があったのだ。しかし、現代において体系づけられた論理魔術では、その
雑な手順のほとんどを発動体に負担させることができる。発動体自体に膨大な量の魔術式
が既に封印されているため、術者はそれらを呼び出すための僅かな呪文の詠唱と簡易的な
構築式を展開させるだけでいい。

[8]

  • 発動する魔術に関する細かいパラメーターの設定は必須
論理魔術師同士の戦いではここで差が生まれる。
 とはいえ、それであっても、対象との相対距離や構築式に乗せるマナの変質量、影響範
30
囲の微調整など、細やかな部分は術者自身が計算して行わなければならない。魔術師によ
って展開の速度に差が出るのは、そういった部分の手間は変わらずに大きいからだ。

[9]


混沌魔術

  • 体系化されていない魔術
上位存在に祈願する精霊術や奇蹟が該当する。
信仰と魔術は相性が悪く、魔術師でありながら神の声が聴ける者は希少。[10]
 残念ながら、現代の論理魔術では生物の身体を治癒することは叶わない。そういった神
秘の分野は、混沌魔術――、奇蹟や精霊術でしか為し得ないのが現状なのだ。

[11]


その他

関連項目

魔術を成立させる万能素。


引用元

  1. 相沢沙呼. 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑. KADOKAWA, 2015, 328. P27
  2. 相沢沙呼. 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑. KADOKAWA, 2015, 328. P29
  3. 相沢沙呼. 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑. KADOKAWA, 2015, 328. P129-130
  4. 相沢沙呼. 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑. KADOKAWA, 2015, 328. P129
  5. 相沢沙呼. 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑. KADOKAWA, 2015, 328. P137
  6. 相沢沙呼. 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑. KADOKAWA, 2015, 328. P248
  7. 相沢沙呼. 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑. KADOKAWA, 2015, 328. P69
  8. 相沢沙呼. 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑. KADOKAWA, 2015, 328. P29
  9. 相沢沙呼. 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑. KADOKAWA, 2015, 328. P29-30
  10. 相沢沙呼. 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑. KADOKAWA, 2015, 328. P78
  11. 相沢沙呼. 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑. KADOKAWA, 2015, 328. P76